環境リスクの基礎知識
環境リスクの基礎知識

放射能の基礎知識

放射能の基礎知識

「放射線」は放出されるエネルギーのことです。放射線を出す能力を「放射能」、放射線を出す物を「放射性物質」と言います。
放射能を表す単位をBq(ベクレル:1秒間に崩壊する原子数) 、人間が放射線を浴びたときの影響を表す単位をSv(シーベルト)といいます。
「ベクレル」だけでは、人体への影響度まではわかりません。また、逆に「シーベルト」だけでは、放射能の量は分かりません。測定する対象によって、何を測定するのかを考えて測定することが大切です。

《放射能に関する単位》

名称 意味 内容の概略
グレイ(Gy) 吸収線量 放射線を浴びた物質が、受け取ったエネルギー量(旧単位:rad、R)
ベクレル(Bq) 放射の強さ(壊変毎秒) 1秒間に壊変する個数
Bq/LやBq/kgが放射能の強さ
キュリー(Ci) 1gのRa226の放射能の強さ 1Ci=3.7×1010Bq (370億Bq)
シーベルト(Sv) 線量当量 人体が放射線を浴びた場合のエネルギー量(旧単位:rem)
Sv=Gy×放射線荷重係数(放射線の種類により異なる。

放射性物質の種類

放射性物質とは、放射能を持つ物質の総称で、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物質や中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質のことです。放射性物質の種類により、放射能の強さ(ベクレル)や半減期(放射能「原子」の数が半分になるまでの時間)が異なります。

  放射性物質 1グラムあたりの放射能の強さ 半減期
天然の放射性核種 ウラン238 1万2000ベクレル 45億6000万年
ラジウム226 370憶ベクレル 1600年
人工の放射性核種 セシウム137 3兆2000万ベクレル 30年
ヨウ素131 4600兆ベクレル 8日
クリプトン88 290京ベクレル 2.8時間

放射能の測定(検出器の種類)

放射能、放射線量を計測するのは様々な検出器があります。
放射性物質、用途等に応じて適切な検出器を選定する必要があります。

ゲルマニウム半導体検出器
ゲルマニウム半導体検出器
NaIシンチレーションスペクトロメータ
NaIシンチレーションスペクトロメータ
シンチレーション型サーベイメータ
シンチレーション型サーベイメータ
測定方法 測定機器 摘 要
131I、134Cs、137Cs NaI(Tl)シンチレーション検出器γ線スペクトロメーター 核種判別OK(I、Cs)
検出下限値:30~50Bq/kg
特定核種として計算(Cs) 各種サーベイメーター シーベルト(Sv)を実効線量係数(Cs他)で除算して算出
表面汚染(Bq/cm²) 端窓型GMカウンター 表面放射線濃度(Bq/cm²)を直接測定
cpm測定 各種サーベイメーター 表面測定値とBG値の差が20%以上→汚染と判定